AIで“ジブリ風”イラストにする方法(安全ガイド付き)

本記事で用いる「ジブリ風」という表現は、特定のスタジオや作家の固有表現を模倣する意図ではなく、手描きアニメ調・柔らかな背景美術・温かい色彩といった一般的な画風要素を指す便宜的な呼称です。実在のスタジオ名や作家名の直接指定は避け、ライセンスと各サービス規約を遵守してください。


1. “ジブリ風”と感じさせる要素分解(模倣ではなく要素化)

  • 色彩:低〜中彩度、黄味がかった光、夕暮れのオレンジ、柔らかい緑・藍。
  • 質感:水彩/ガッシュ調のマットな塗り、紙のテクスチャ、にじみ。
  • :細め〜中程度の輪郭線、強すぎないシャドウ、ハイライトは控えめ。
  • 背景:自然や生活感のある室内、緑の濃淡、雲のボリューム、風や湿度の表現。
  • 演出:逆光/薄霧/木漏れ日、風で揺れる草、生活音が聞こえるような小物の配置。

これらの抽象化したデザイン要素に落とし込むと、特定ブランドを名指しせず安全に「らしさ」を表現できます。


2. ツール別アプローチ(写真→イラスト/ゼロから生成)

2-1. オンライン変換ツール(手軽・時短)

  • 写真アップロード→アニメ/水彩系プリセット→強度を調整。
  • 長所:UIが易しい、実験が速い。短所:細かい調整は限定的、商用条件の確認が必須。

2-2. スマホアプリ(SNS運用と相性◎)

  • スタイル強度・粒状感・紙テクスチャを段階的に足し算。
  • アプリ内課金や出力解像度、商用利用範囲を事前チェック。

2-3. 生成AI(Stable Diffusion / MJ 等)

  • ゼロから生成:プロンプトで「手描きアニメ調・水彩背景・低彩度・逆光」などの 抽象要素 を組み立てる。
  • 写真→イラスト化(img2img):元写真の構図を活かしつつ、画風だけ変換。以下の手順が安定。

3. 写真→イラスト化:実践ワークフロー(Stable Diffusion)

  1. 素材準備:露出適正・ノイズ少なめの写真を用意(被写体と背景のコントラストがあると◎)。
  2. 前処理(任意):Lightroom/写真アプリで色温度をやや暖色へ、明るさはハイライト抑えめ。
  3. img2img
    • Denoise Strength:0.35〜0.55(元写真の面影を残す)
    • CFG Scale:5〜7(過剰な逸脱を抑制)
    • 解像度:長辺 1024px 以上推奨(後で高解像度化)
  4. ControlNet(Lineart/SoftEdge):輪郭抽出で形をキープ、塗りだけ柔らかく。
  5. LoRA/スタイルモデルライセンスが明示された一般アニメ調/水彩調を使用(第三者の権利に配慮)。
  6. アップスケール:2x〜4xで紙目テクスチャを軽く足す。
  7. 仕上げ:彩度-10〜-20、ハイライト少し落とす、粒状感+10〜+20。

ポイント:“強度を盛り過ぎない”。紙・粒子・逆光・にじみの「足し算」は控えめから段階的に。


4. プロンプト設計(安全ワード集)

推奨キーワード(肯定)

  • 手描きアニメ調」「セル画風」「水彩背景」「ガッシュのにじみ
  • 柔らかい逆光」「木漏れ日」「低彩度パステル」「自然豊かな風景
  • 細い輪郭線」「マットな質感」「フィルムグレイン」「紙テクスチャ

推奨ネガティブ(抑制)

  • 「ハードシャドウ」「メタリック」「ネオン」「過度なコントラスト」「光沢の強い3D感」

例(英日混在可・ブランド名/作家名は使わない)

  • “anime-style hand-drawn look, watercolor background, soft backlight, low-saturation pastel palette, thin outlines, matte finish, natural scenery, gentle film grain, paper texture”

5. Midjourney向けのコツ

  • Aspect Ratio:背景表現が映える 3:2 / 16:9
  • Stylize:中程度(例:–s 200–400)で過剰装飾を回避。
  • Multi-prompt::: で「背景(水彩/自然)」「主体(人物/小物)」「光(逆光/曇天)」を重み付け。
  • リミット:固有名詞は避け、抽象要素の組み合わせで質感を作る。

6. 著作権・商標・規約の注意

  • 実在スタジオ/作家名の直接指定は避ける
  • モデル/LoRAは配布元のライセンスを確認し、商用は規約を厳守。
  • 写真の人物は肖像権/パブリシティ権の同意を得る。ロゴ/看板等の写り込みは除去。
  • 公開時の表記:便宜的に「“手描きアニメ調”のイラスト表現」など中立語を用いる。

7. よくある失敗と対処

  • コントラストが強すぎる → 生成前に露出/ハイライトを落とす、ネガティブで“hard shadow”を抑制。
  • プラスチック感/CGっぽい → マット/紙/粒状感キーワードを足し、金属・光沢系ワードを除外。
  • 人物が崩れる → ControlNetの範囲を人物優先に、Denoiseを0.35近辺へ下げる。
  • 色が派手すぎる → 低彩度/パステル/ウォームトーンを明示し、仕上げで彩度-10〜-20。

8. 30分クイック作業フロー(写真→アニメ調)

  1. 0–5分:写真選定&露出調整(暖色寄り)
  2. 5–15分:img2img(Denoise 0.45/CFG6/1024px)、ControlNet Lineart有効
  3. 15–25分:アップスケール2x+紙/粒状感を軽く付与
  4. 25–30分:色味仕上げ(彩度-15、ハイライト-10、陰影+5)→書き出し

9. FAQ

  • Q. 「ジブリ風」と明記して公開してよい? A. 誤解を招かないよう「手描きアニメ調」「水彩背景のアニメ風」など中立表現を推奨。ブランド連想を利用した表現は避ける。
  • Q. 商用利用は可能? A. 使うモデル/アプリのライセンス次第。必ず規約で商用可否とクレジット要求を確認。
  • Q. さらに“らしさ”を出すには? A. 光(逆光/木漏れ日)・空気感(薄霧)・生活小物(洗濯物、棚、窓辺の植物)を足すと、世界観がまとまりやすい。

slug: ai-ghibli-like-illustration

内部リンク候補:

  • 写真をアニメ調にする具体レシピ(SD/MJ)
  • AIイラストの商用利用ガイド(ライセンス/権利)
  • 生成AIの失敗例とリカバリー手順(ControlNet/LoRA)

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